Automation Anywhere社のRPAはまるでAI?



Automation Anywhere社のRPAはまるでAI?

Automation Anywhere(オートメーション・エニウェア)社はRPAを提供する企業で、2003年にアメリカで設立されました。2017年に日立ソリューションズが日本で初の販売代理店となり、国内市場への参入が始まりました。2018年3月には東京に日本法人を設立するという発表もされ、これを皮切りにさらなるRPAの普及が見込まれています。

Automation Anywhere(オートメーション・エニウェア)社とは

◆Automation Anywhere(オートメーション・エニウェア)社 公式ページ
https://www.automationanywhere.com/

Automation Anywhere(オートメーション・エニウェア)社はアメリカの企業の中でRPA市場のシェアがもっとも大きいと見られており、前回の記事でお話したBlue Prism社のRPAと同様に高性能なRPAを提供しています。

関連記事:RPAの考案元「Blue Prism」が提供する高性能RPAとは

また、Automation Anywhere社は日立ソリューションズの他にも、

・日本IBM
・Bit Corporation
・アクセンチュア
・デロイト
・EY
・KPMG
・Genpact
・Wipro

などの企業とも提携しています。

Automation Anywhere(オートメーション・エニウェア)が提供するRPAの主な特徴は以下の通りです。

・すべてのWindowsデスクトップアプリケーション、Webアプリケーションに対応
・高いITセキュリティを備えている
・バックオフィス系の業務に強い
・中央管理型のシステム
・機械学習で柔軟な動作が可能

という上記の5つです。Blue Prism社のRPAとほぼ同様の特徴を持っています。ただ、「機械学習で柔軟な動作が可能」というのは特筆すべき点です。RPAと言えばフローを組んで一定のルールに従った業務を自動で行うことを得意とします。しかし、これはまるでAIのような機能であり、個人的な意見で恐縮なのですが、RPAのこのような機能に過度な期待をするのは危険だとも思います。というのも、この機能を設定するのにはプログラミングの専門家レベルの技能がなければできず、RPAの「初心者でも簡単に設定できる」という大きな特徴の1つを殺してしまっているからです。

ただ、実際のところは使ってみないと不明な点は多いので、導入する際には綿密な計画とシミュレーションが必要です。近々、日本法人も設立される予定ですので、導入を検討している場合は日本向けのサポートが整ってからのほうが望ましいでしょう。

導入費用

導入費用は例として、年間の最低利用料が税抜きでおよそ1290万円ほどです。他の企業にはない機械学習の機能があるからなのか、かなり高めの価格設定となっています。RPAは中小企業こそ導入すべきだと思いますが、このAutomation Anywhere(オートメーション・エニウェア)社のRPAに関しては、大企業向けと言わざるを得ません。

RPA導入を成功させるコツとは

業務効率化が期待できるからといって、闇雲にRPAを導入しては余計にコストがかかってしまう可能性があります。Automation Anywhere(オートメーション・エニウェア)のハイプレジデントであり、日本代表を務めるSreeni Unnamatla(スリニ ウナマタラ)氏は以下のように語っています。

「業務システムの自動化には20年近い歴史があるが、その効果には疑問が残る。なぜならば、システム間で連携が完了しているのは業務全体を見ても20%にも満たないからだ。つまり残りの80%ほどの業務は人の手で処理が行われている。これを自動化して、業務全体の効率と生産性を向上させるのがRPAの本質である。RPAは人間が行う作業の中から、ルーティンロボット的な部分を取り出し、人間の行動を模倣するように学習しながら自動化をすすめていくものだ」また、Unnamatla氏は「バックオフィスのプロセスというのは、創立100年の企業もスタートアップも同じだ。これらを効率化しなければ、今以上の効率化と生産性の向上は不可能だろう」と述べています。

日本でRPAが注目されはじめている大きな要因の1つは「働き方改革」に対する関心の高まりにあります。特に「長時間労働を解消するための切り札」として、導入を検討している企業は多くあります。このような状況について、Automation Anywhereの共同設立者であり、CROのAnkur Kothari(アンクル コターリ)氏は「ライフスタイルを改善するというところからの導入検討は日本固有のものだ」と述べています。そして、これを踏まえた上で、日本と海外のRPAに対するとらえ方の違いを以下のように指南しています。

「外国企業の多くは、“バックオフィスの業務効率化” “生産性の改善”によるヒューマンエラーの低減、コストの削減、事業再編に伴うデジタル化を目的にRPAを導入している。日々のルーティン作業をRPAで自動化することにより、人的リソースの有効活用という意味だけではなく、社員のモチベーション向上にもつながる。こうした効率化により、顧客に対して迅速な対応が可能になる。そして結果的に顧客満足などの向上につながる。つまりは、競合企業よりも優位に立つことができるのだ」

また、日本と海外のRPA導入検討のもう1つの違いは自動化する業務領域とその内容です。日本ではシステムへの入力など、社員の直接的な負担や作業を軽減が目的な場合が多いです。対して、外国企業では業務プロセス改革とシステム全体の最適化まで行うケースが大半だといいます。

Kothari氏は「どちらが正しくて間違いということはない。RPAのメリットはスモールスタートができるという点。例えば、1つの部門で特定のプロセス自動化を試験的に実施する。その実証性を確認した上で全体の最適化を行う。人事、経理、財務などといったすべての業種や部門で導入している機能からスタートして全体に拡げていく。このような傾向は世界共通の使われ方である」と指摘をしています。

「最も重要なのは、RPAに対する組織的な理解、そしてその教育だ」と、このようにもKothari氏は述べています。RPAを導入して実現できることは何か、その得意分野は何かを理解した上で業務に対して自動化の優先順位をつけ、業務プロセスの再設計を行います。その際には、IT部門とビジネス部門とで協力して作業をしていくことが重要であるそうです。

冒頭でもお話ししましたが、Automation Anywhere社のRPAはアメリカで最もシェアされています。そのいわば大手のRPAベンダーの2人が述べていることは、RPAを導入する上で参考になるだけではなく、非常に興味深い内容でもあります。中でも、日本と海外とではRPAを導入する目的に相違があるという点です。日本が抱えている問題の1つに「長時間労働」というものがあります。アメリカでは早く仕事を終わらせて定時に帰宅する、というのが当たり前になっているといい、また、それが仕事ができる人という証でもあるそうです。一方日本では、定時に帰るよりも長時間の残業をしているほうが偉い、という風潮があります。

それぞれのお国柄や事情があるので、どちらが正しいというのは言い切れませんが、日本ではたびたび過労死のニュースが流れたりします。働いてお金を得るのは生きるためであり、ましてや死ぬためでは決してありません。また、過労死にまで至らないまでも、精神を病んでしまうまで無理をしてしまう人が多いのが今の日本の労働の現状といえるでしょう。2018年になり、RPAは日本でもだいぶ浸透してきたように思います。自動化できるところはRPAを導入して自動化して業務効率化を行い、過労死に至るまで残業をしている企業が一社でもなくなることを願いたいものです。

※参考:ZDNET Japan
    https://japan.zdnet.com/article/35120405/

日本IBMとの提携

Automation Anywhere社はIBMと提携していると先述しましたが、2017年10月20日からIBMが他のベンダーと差別化するRPAの提供を始めました。商品名は「IBM Robotic Process Automation with Automation Anywhere」で、どのような差別化がされているかというと「Watson」と「BPM」の組み合わせて提供することで差別化をはかるとのことです。

■IBM Robotic Process Automation with Automation Anywhere(※以下Automation Anywhereと称する) 公式ページ
https://www.ibm.com/cloud-computing/jp-ja/products/digital-process-automation/robotic-process-automation/
発売に合わせて開催された商品発表会で日本IBM理事 クラウド事業本部 クラウドソフトウェア事業部長の望月敬介氏は、

「ここ5年にわたり日本ではおよそ300万人の労働人口が減少していきます。北米でも日本と同じ傾向がありますが、労働人口の急激な減少の最中、IBMは業務効率化を図る基盤を提供してきました。その中でもとくにRPAは大量の単純作業に絶大な効果があります。ただ、今回IBMとしてはRPA単体ではなく、Business Process Manager(BPM)ソリューションと組み合わせて提供していきます。」
と、上記のように述べています。なぜBPMと組み合わせて提供することにしたのか?その理由は、

・RPAを単純作業だけでなく、業務全体の中で使いたい
・RPAを導入して使い続けてきたが、スクリプトが増えてしまったのできちんと管理したい

という声がとくに北米のほうで多く上がってきました。RPAはたしかに優秀ではあるが、単体では限界があり、BPMと組み合わせることにより付加価値を出せるとのことです。

また、他のRPAベンダーにはないアプローチとして、RPAから始まり、ビジネスロジックの自動化(ODM)、人の作業と自動化したプロセスの統合(BPM)、さらにAIを活用して自動化の過程を精巧化していく、この業務プロセス改善のステップの提供だと望月氏は述べています。

今回のAutomation Anywhereについてユーザー側が期待を寄せているのはサポート窓口だといいます。なんと24時間365日、障害が起こった場合に日本IBMがサポート窓口になり、Automation Anywhereの使い方やその他の問い合わせなどに対応するようです。いくら精密なロボットといえど、障害が起こりうる可能性は捨てきれません。このサポートは確かにユーザーが期待するに値するといえるでしょう。

Automation Anywhereの特徴

Automation Anywhereの製品内容は以下の通りです。

・840PVUまで使用可能なIBM Business Process Manager Expressのライセンス
・ボット5、開発者10、管理サーバ3のAutomation Anywhereのライセンス

Automation Anywhereの主な特徴は以下の通りです。

・ボットの起動と連携システムへのアクセスを管理することで、
セキュリティ面のリスク軽減
・さまざまなアプリケーションに対応
・未だ多くの企業が使用しているレガシーシステムに対するコマンドを
豊富に持ち合わせている
・BPMを加えることで業務全体の効率化および可視化を実現

Automation Anywhereの価格

気になるのがAutomation Anywhereの価格ですが、税別で月額130万3000円となかなか高額です。高額ではありますが、国内外で高い評価と実績があるRPA+BPMを組み合わせたソリューションですので、妥当といえば妥当なのかもしれません。また、月額という料金体系にしている理由としてはシンプルかつ小規模向けのシステムで、比較的簡単に始められるようなライセンス形態を採用することで中小企業も対象にしているからとのことです。Automation Anywhereの使い方自体もそれほど複雑ではないというところも中小企業も対象にしている理由の1つでしょう。

今回のまとめ

今回はAutomation Anywhere(オートメーション・エニウェア)社のRPAについてお話してきましたが、いかがでしたか?RPAの老舗であるBlue Prism社と並び、RPA市場では最大の規模と言われているAutomation Anywhere社です。提供しているRPAは機械学習機能という、独自の特徴を持っており、その導入費用はかなり高めに設定されています。

Automation Anywhereの共同設立者でありCROであるAnkur Kothari氏は、「世界規模で見ても、日本企業は高成長しながらRPA技術を導入しつつあります。」と述べています。日本法人設立も予定されており、日本のRPA市場もより拡大していくことでしょう。



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