NTTグループが提供する国内シェアNo.1のRPA「WinActor」とは



NTTグループが提供する国内シェアNo.1のRPA「WinActor」とは

WinActor(ウィンアクター)とはNTTグループの技術的な中核企業が開発したRPAです。RPAに期待される基本的な機能は備わっており、価格もリーズナブルに設定されています。今回はNTTグループのWinActor(ウィンアクター)についてお話していきます。

WinActor(ウィンアクター)とは

WinActor(ウィンアクター)は、NTTグループのNTTアドバンステクノロジ株式会社が開発したRPAです。

■WinActor(ウィンアクター) 公式ページ
http://www.ntt-at.co.jp/product/winactor/

NTTアドバンステクノロジ株式会社は1976年に設立されました。同社は電子デバイスや光デバイスの設計から開発、販売までをおこなっており、他には情報通信システム、ソフトウェアの設計および開発、運用もおこなっています。また、自社で開発した製品などに関してのコンサルティングもしています。

RPAのベンダーと言えばアメリカなどの海外が有名ですが、純国産のRPAの中でもWinActorは国内シェアNo.1と謳われています。NTTアドバンステクノロジ株式会社が初めてRPAを提供し始めたのは2017年で、当初の導入企業数は85社ほどでした。しかし、1年後の2018年には導入企業が1000社にまで増えました。

導入している企業の事例として公開されているのは「株式会社エクシオテック」の1社のみですが、主にIT、製造、流通、小売業を中心とした企業が多いようです。導入している企業が1000社もあるのにもかかわらず、社名を出している企業が1社しかないのが少し気になりますが、純国産のRPAということで安心して導入できるという点においては導入企業が多いのは納得できるのではないでしょうか。

NTTアドバンステクノロジ株式会社が提供しているRPA、WinActorの主な特徴は以下の通りです。

・Windowsが提供している、ほぼすべてのデスクトップアプリケーション、Webアプリケーションに対応(ブラウザはInternet Explorer限定)
・「画面イメージ」「対象オブジェクト」「画面内の相対位置」の3つの操作対象の認識方式機能
・操作する人間の操作方法を監視および自動記録
・動作を補完する処理をフローチャート形式で追加して処理をする

RPAに期待される機能は十分に備わっているといえるでしょう。ただ、サーバーで中央集中管理する機能はないので、サーバー運用できるRPAを導入したい場合は注意が必要です。

導入費用

例として、1台あたりの年間利用料は税抜きで90万円程度に設定されているようです。すべての機能ではなく、1部の機能のみでも導入可能で、その場合は標準価格の4分の1程度にまで価格が下がります。

RPAの中で多くの企業がWinActor選んでいる理由

多くの企業がWinActorの導入を始めています。RPAベンダーやRPA自体の種類が数多くある中で、なぜWinActorを選んでいるのでしょうか?ここでは、その理由やWinActorについてさらに詳しいお話しをしていきたいと思います。まずはWinActorの特徴について改めて見ていきます。

・Windowsから操作できるあらゆるソフトに対応している
IEやWord、Excelなどのoffice製品から、ERPやOCRに電子決裁を自動化できます。他には個別に作り込んだシステムや、共同利用型のシステムまで自動化が可能です。Windowsから操作および記録ができるソフトならばあらゆるアプリケーションに対応しているので、社内のほとんどのパソコンがWindowsという場合には、非常によいRPAです。

・自動記録およびGUI操作なのでシナリオ作成が簡単にできる
WinActorは自動記録および日本語のGUIを完備しており、プログラミングの知識や専門的な言語は不要です。業務を自動化するためのシナリオをプログラミングの知識なしで出来るという点は、大きなメリットになると思います。

・他のRPAと比較すると低価格からの導入が可能
多様な機能がついているRPAだと、どうしても導入の際の価格が高くなっている場合が多いです。WinActorは低価格から導入できるプランがあるので、自社に必要なものだけ導入できたりと、経費を最低限におさえることもできます。

■WinActorが得意とする主な操作
WinActorが得意とする主な操作は以下の通りです。

・膨大な量のデータの投入および転記作業
・起案や承認などのワークフローの操作
・キッティング作業時の端末設定、アプリをインストールための作業
・ダイレクトメールの送信
・印刷やPDF化の作業
・データ分析や加工と配布
・複数の端末を用いた場合の負荷テスト
・DB管理ソフトの操作(SQLの発行)
・Webサイトを検索し、インターネットからの情報取集
・Webサイトの自動更新
・ホームページのリンクやメーリングリストが動作しているかの確認
・サーバーメンテナンス(コマンドラインの操作)

主な操作だけでも、以上のことが可能です。単純作業から少し複雑な作業まで、さまざまなことができます。それでは、もう少し詳しく見ていきましょう。

■WinActorは4つの自動操作UIを用いてさまざまなアプリケーションの操作を実現できます

・UI識別型(IEモードおよびイベントモード)
※IEの画面で使用
IEやWindows上で動作するアプリケーションの操作や記録に利用します。

・ファイル向け操作型(ExcelやCSVファイル)
利用頻度の高いExcelやCSVファイル操作に利用します。

・画像識別型(画像マッチング機能)
※officeソフト、PDFやテキストファイル、Javaやflash、GooglechromeやファイヤーフォックスなどのIE以外のブラウザで使用
主にリモートデスクトップなどの画像でしか認識ができない場合の操作、画像変化を検知したい時に利用します。

・座標指定型(エミュレーションモード)
※OSコマンドやメインフレーム、エミュレータで使用
マウスやキーボードの動きを記録する場合に利用します。

WinActorは利用頻度が多いような場面での自動化が想定されて作られています。多くのRPAがそうだとは思いますが、かゆいところに手が届くのもWinActorの特徴の1つです。

■作業の自動化をプログラミング不要で実現可能
先述しましたが、WinActorはプログラミング不要で業務の自動化を実現することが可能です。

・シナリオの自動記録
業務の操作をWinActorが学習することで、シナリオのひな形を作成します。

・シナリオの編集
GUI操作でシナリオがどのように動作するかの条件を編集できます。

・シナリオの実行
WinActorが業務の操作を自動かつ正確に再現します。

自動化するためのシナリオをプログラミングなしで実現可能なので、自社の中でプログラミングの知識や技術を持っているスタッフが少ない、もしくはまったくいないという場合でも問題なく導入できます。

■GUIで作業を可視化できる
WinActorはGUIを用いて作業を可視化することもできます。たとえば、プログラムは仕様書などがなければ、解読が非常に困難です。WinActorは「シナリオ自体が仕様書」なので、誰にでも解読することができます。また、誰にでもということは、引継ぎなどの手間の削減にもつながります。
■注文書の識別と転記作業にWinActorを活用した例
ここでは、取引先やお客様から注文を受ける業務にWinActorを導入した場合の例をお話ししたいと思います。

・WinActor導入前
取引先やお客様から注文を受けた時、その注文書が先方の独自の様式で受注した場合の例です。受注業務をおこなうオペレーターは、頂いた注文書を自社のフォーマットに合わせるために、各項目を1つひとつ目視で確認し、それを転記していくといった非常に面倒といえる作業をしなければなりません。たとえば、月間に数百件もの処理をおこなうとした場合、受注管理システムへの転記ミスの発生のリスクがあります。ミスにより取引先やお客様へ迷惑をかけることになってしまいます。また、このようなミスが続くと、会社の信用が落ちるだけでなく、売上減少にもつながってきます。

・WinActor導入後
WinActorが受注業務をおこなうオペレーターに代わり、注文書の様式を自動で識別します。そして、識別した帳票ごとに内容を正しく受注管理システムへ自動入力します。これにより、ヒューマンエラーが原因で起きていた転記ミスがなくなります。また、オペレーターは最終チェックをおこなうだけで済むようになりました。NTTデータが公開している結果では、「従来の作業工数を98%も削減することに成功した」という事例もあります。

この導入事例からわかるのは、作業の効率化だけでなく「ヒューマンエラー」の大きさだと思います。人間ですので、ミスというのは大小関係なく誰しもが必ずあります。それをRPAというロボットが補うというのは実に理想的ではないでしょうか。

■集計データの加工作業にWinActorを活用した例
次に集計データの加工作業にWinActorを導入した際の例についてお話しします。

・WinActor導入前
コールセンターのマネージャーの業務の中には、顧客満足度の向上のために前日のお客様への対応履歴などのデータ集計という作業があります。この集計したデータを改善に結びつけるためにデータの加工をする必要があります。データ集計と加工およびDBへの登録作業に対して、毎日30分以上の工数がかかっていました。

・WinActor導入後
上記の毎日30分以上かかっていたデータ集計と加工作業にWinActorを導入して自動化することで、「マネージャーの工数を0」にすることに成功したという結果をNTTデータは公開しています。これにより、マネージャー本来の業務に集中することが可能になったので、コールセンター全体の品質向上と改善につながりました。

コールセンターというのは、お客様と直接やり取りをするとても重要な場所です。電話対応の質が高ければ高いほど、良い企業という印象もつきやすくなります。

■WinActorのライセンス価格について
「導入費用」という項目で簡単にご説明しましたが、ここではより具体的なライセンスごとの価格についてお話しします。WinActorは基本的に年間でのライセンスです。

【保守料金込み・税別での年間ライセンス費用】
・フル機能版(シナリオ作成・実行機能):908,000円/年
・実行版(シナリオ実行機能のみ):248,000円/年

インストールする端末ごとに料金が発生するので、パソコン1台につき1年でという考え方をしたほうがいいでしょう。また、数十台規模での契約の場合は、ボリューム割引がついて安くなる模様です。

【年間運用保守項目】
こちらは「フル機能版」を購入した場合」のみ、ついてくる保守内容です。無料と有料のものがありますので、必要に応じて有料版を追加するのもよいでしょう。

●無料版
・メールでの問い合わせ
・WinActor本体に関する問い合わせ
・NTTデータ側で作成したシナリオの保守
・自社で作成したシナリオの不具合調査
 (80時間相当、現地調査は別途で費用がかかります)
・パソコン変更ライセンスの発行(3回まで)
・新機能の紹介およびその説明会(不定期)

●有料版
・WinActorのバージョンアップ
・NTTデータ側でのシナリオ作成
 (1シナリオあたり20万円、5日間/120ノード相当)
・社内システムのバージョン変更によるカスタマイズ
・情報セキュリティ対策のためのコンサルタント
・技術者のヘルプデスク支援(常駐)
・現地調査
 (交通費は別途で見積もり)

【導入支援費用】
・シナリオ作成費用:都度見積もり
・業務改善コンサル:初回無料

導入支援費用については、イニシャルコストになります。また、自社でシナリオを作成する場合はシナリオ作成費用はかかりません。

WinActorの導入費用は、他のRPAベンダーが提供しているものよりも比較的安価です。業務改善コンサルは初回無料なので、ぜひ利用するようにしましょう。

■WinActorの動作環境
WinActorを導入する前に、自社のパソコンで正常に動作するかを確認しておきましょう。

・CPU:Intel Pentium4 2.5GHz 相当以上
・メモリ:2.0GB以上
・HDD:空き容量500MB以上
・画面:1024×768が表示可能なもの
・サウンド:シナリオ中で音を出すためのサウンド機能
 ※音機能を使用しない場合は不要
・OS:Windows7 Professional SP1
    Windows8 Professional
    WIndows8.1 Professional update1
    Windows10
・Webブラウザ:IE8,9,10,11
・アプリケーション:office2007,2010,2013,2016
・言語対応:日本語、英語
 日本語版につき1ライセンス購入、英語版につき1ライセンスそれぞれ購入する必要があ  る。購入した際はライセンスファイルを登録しなおす必要がある。

※2018年8月時点

上記の動作環境は2018年8月時点のものなので、導入する時には改めて確認するようにしてください。

今回のまとめ

今回はNTTグループのNTTアドバンステクノロジ株式会社が開発、提供しているRPAのWinActor(ウィンアクター)についてお話してきましたが、いかがでしたか?WinActorは純国産のRPAであり、国内シェアはNo.1と謳っています。海外のRPAと比較すると、機能面はまだ追い付いていない感は否めません。実際のところ、大量の処理を自動的におこなったり、大規模な導入はまだ難しいところがあります。

その補填なのか、同じNTTグループのNTTデータ社からはWinActorを大規模に導入するための「WinDirector」という管理、統制のロボットが提供されています。まだまだ改善の余地があり、海外のRPAには及びませんが、国産のRPAということで、導入しやすいのではないでしょうか。



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