あいおいニッセイ同和損保のRPA導入事例からみる“自動化のポイントと社員の説得の仕方”



あいおいニッセイ同和損保のRPA導入事例からみる“自動化のポイントと社員の説得の仕方”

今回はあいおいニッセイ同和損保のRPA導入事例をご紹介していきたいと思います。あいおいニッセイ同和損保がRPAを導入する姿勢として示したのは「既存の紙ベースの業務をただデジタル化するのでなく、デジタル化に合わせて業務自体を見直していきたい」というものでした。

導入したのはUiPath社のRPA

損害保険業界というのは、本店や支店、顧客との間で複雑な事務手続きが必要になります。その事務手続きは紙をベースにした作業が多く、同社も例外ではありませんでした。例えば、保険料を精算する業務の場合は、まずそれぞれの営業店で作成した書類を本店に郵送します。そして本社の経理部で内容を確認後、システムに入力するという流れです。しかし、これでは書類に誤りがあることが多く、そのたびに各営業店とのやりとりが発生したりなど、負担が大きい点が課題だったといいます。

同社は周囲の企業が業務を次々とデジタル化して、ビジネスそのものを変えていく状況に直面してきたといいます。今のような負担の多い業務をITで根本から変えていかなければ、損保業界も新しい勢力にあっという間に負けてしまうだろう、と危機感を抱いたそうです。

そこで2016年に、業務の全体的な見直しとIT導入の推進を全社で決断し、2017年からITツールの本格的なPoCを開始しました。この一環として、2018年にMicrosoftのCRMおよびERP統合型プラットフォームである「Dynamics 365」と、同製品で連携して動くUiPath社のRPAを導入しました。これにはアビームコンサルティングやシーイーシーといった企業の協力の下で本格的な実装を進めているといいます。

また、新しい技術の導入をSIerに任せて業務の一部を変えていくのではなく、自社内に専門チームを置くことで、各部門の業務の見直しおよび改善、RPAを導入する業務の選定をじっくり進めているとのことです。

今回のデジタル化した成果の例として、経理部では営業店で人が行っていた入金や債権などの情報入力をロボットが代行するようにして、本社側からDynamics 365を通して直接確認できるようにしました。その結果として、紙からシステムへの入力といった作業がなくなっただけではなく、内容の誤りも減少して、約4万時間分もの作業時間を削減できたといいます。

そして同社では現在、経理部や人事部などの人数が多く、コストをかけている部門からトップ10を選定した上で、各部門で数ヶ月かけて業務の見直しと自動化を進めているのだといいます。あくまで「自動化しやすい業務」ではなく、「自動化することでより効果を出せる業務」を選んで自動化していくとのことです。そのため、現場に任せきりにせずに専門チームとIT部門の両方が連携して進めているそうです。理由としては今後、全社で業務自動化を進めていくことを関画れば、メンテナンスや予算管理も含めて、集中的な管理を行っていく部門が必要だろうと考えたからといいます。

このように、自動化の計画は順調かというとそうでもありません。今まで自分たちがやっていた業務が現場以外の人間によって見直されて、自動化されていくというプロセスに反発を覚える社員もいるのではないでしょうか。そうした社員をどのように説得して自動化を進めているのか?という疑問には、以下のように話しています。

当然ながら反発はあります。今回の自動化プロジェクトのポイントは、今の時代に不要になった業務をできるだけ自動化します。そして空いた時間でこれから必要な業務を手厚くしていく、という変化を後押しすることです。例えば、バックオフィスで事務におわれている人たちの場合、これからは顧客のサポートなどのフロント業務をしてもらいたいです。自動化していくことで、今後はもっと便利になるという点を現場に理解してもらうのが大切です。加えて若手のアイデアを取り入れながら、新しいことにチャレンジしていける環境づくりをしていきたいと考えています。

今後、同社では自動化によって2021年度内には約138万時間分の「余力」を全社で作り出して、新たなサービスや業務に注力していきたいとしています。また、現在は紙ベースで行っている業務のデジタル化進めていき、年間約1200トン分の紙を削減するのが目標だといいます。



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