RPAは地方自治体にとってなくてはならない存在



RPAは地方自治体にとってなくてはならない存在

深刻な少子高齢化により、今後は毎年100万人近くが減少していくといわれています。それに伴い、地方自治体の税収の大幅な減少が予想されています。地方自治体が持続可能な形で住民に変わらぬサービスを提供し続けられるのかなど、自治体行政のあり方が問われています。そんな中、注目されているのがRPAです。自治体がRPAを導入しているという例はすでにご存知かと思います。今回は各自治体がRPAを導入して、どのような成果を挙げているのか?というのをまとめてみました。

【茨城県つくば市】作業時間を年間で1400時間削減へ

RPAを導入した自治体といえば、茨城県のつくば市を思い浮かべる人が多いと思います。つくば市では、2018年1月から「株式会社NTTデータ」「株式会社クニエ」「日本電子計算株式会社」と共同で、自治体業務にRPAを活用するために共同研究を実施しています。

この共同研究では、つくば市役所職員に対してヒアリングやアンケートを行い、定型的で膨大な作業量が発生する業務の抽出をしています。抽出した業務量や難易度の評価を行い、RPAの作業特性などを考慮します。そうしたうえで、既存システムにRPAソフトを導入して、職員の稼働時間の削減やミスの軽減による業務品質向上などの改善効果の測定を行い、RPAを最も活かせる業務や処理の分析をしています。

また、業務の中でも特に確定申告時期の税務処理に多くの時間外労働が発生している状況です。これらの課題解決のためにも、RPAを活用して「作業時間の短縮」と「ミスの軽減」の効果を測定しています。

つくば市の市民税課では、電子申告の印刷作業や新規事業者登録などの全部で5つの業務RPAを導入しました。その結果として、3ヶ月で作業時間を約116時間の削減に成功し、年間換算では約336時間の削減をできるとしています。市民窓口課では、異動届受理通知業務にRPAを導入した結果、3ヶ月で約21時間の削減に成功、年間換算で約71時間の削減を見込むそうです。

今年度は、市民税課、市民窓口課に加えて納税課、資産税課へも導入し、来年度以降に効果が見込まれる部署を対象に順次導入を行う予定のようです。市民税課における業務全体の5%にRPAを適用できば場合、作業時間を年間で約1400時間削減でき、約370万円相当の時間外勤務手当が削減できる計画だといいます。

【熊本県宇城市】RPAで繁閑差の解決へ

熊本県宇城市では、「時間外申請」と「ふるさと納税」の業務において職員が行っていた作業を自動化する実証実験を実施じています。繁閑差が大きい「ふるさと納税」の業務ででは、電子メールの受付、データのダウンロードや当該データのアップロードなど、これまで職員が手作業で行っていた端末作業をすべて自動化しています。これにより、職員の業務負担が大幅に削減されると共に、時間外勤務が不要になったという結果が出ているそうです。

【和歌山県、大阪府】ヒューマンエラーのカバー

和歌山県と大阪府では富士通と共同で、RPAを活用した自治体職員の業務効率化の有効性を実証しています。和歌山県では、30の市町村と連携して実施する総務省からの統計調査業務や官報情報検索サービスから取得した企業情報を県税務署に通知する業務などにRPAを導入しました。これにより、作業時間を大幅に削減できたといいます。

一方の大阪府では、所属別職員の時間外勤務の集計や報告作業などの確認作業が大量に発生する業務にRPAを導入しました。これにより、職員の作業負担軽減やヒューマンエラー防止の効果を検証しているそうです。

ちなみに今年の9月21日に富士通は、神奈川県とRPAの実証事業に関する連携協定を締結したと発表しました。約3ヶ月にわたって、RPAの導入を通じて職員の業務負担の軽減や、ヒューマンエラー防止などの効果を実証していく予定とのことです。

今後の自治体の動き

これまでの地方自治体におけるRPA導入では、このような業務負担やヒューマンエラーの防止を期間限定の実証実験でも効果を確認できるようになってきており、年単位での導入が期待されています。今後は、少子高齢化による労働力の減少や税収の減少などにより、自治体の経営資源や人員が大きく制約されることが予想されます。民間企業や金融機関などでは、すでにRPAの導入をして業務効率化や生産性向上などを積極的に行っています。

このような中で地方自治体でもRPAを導入し、活用していくことが求められてくるでしょう。すでにいくつかの自治体が導入事例を出しているように、RPAは今後の自治体にとってなくてはならない存在になっていくと思います。



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