Blue Prism社のRPAは敷居が高いというは大きな勘違い



Blue Prism社のRPAは敷居が高いというは大きな勘違い

RPAの老舗である「Blue Prism社」は非常に高性能なRPAではありますが、導入のハードルが高くコストも高いというイメージの方が多いのではないでしょうか?今回は実際のところそんなことはないということ、「RPA」ができたきっかけについてお話ししていきます。

RPAというものができたきっかけ

Blue Prism社は2001年からRPAプロダクトを手掛ける老舗です。そもそもRPAという言葉は、同社のチーフエバンジェリストであるパトリック・ギアリー氏が提唱したといいます。Blue Prism社は、その先進的な取り組みが評価され、2018年「AI Breakthrough Awards」のRPA部門において最優秀賞を受賞しています。

Blue Prism社は、2001年にイギリスのロンドンで設立されました。もともと銀行などを対象に業務の自動化のコンサルティングやソフトウェアの開発を行っていました。そんな中、ある銀行から250個もの自動化案件を相談され、さまざまな提案をしながら課題解決をしていったといいます。

課題を解決するために、システム化できるところはシステム化すればいいのですが、それなりの費用や人員が必要になってしまいます。銀行から相談されたのは、大量にあるルーティーンの自動化と、システム化とは違うところでのレイヤーの話だったそうです。

本社はイギリスなので、単純作業はインドなどにオフショアで外注していましたが、コストの問題と、ヒューマンエラーも起きることもあるため、システムの自動化で応えていました。規制が厳しい金融機関の要望に応えていくうちに、2005年の段階で現在のRPAのベースとなるシステムが完成していたといいます。

Blue Prism社はそれをパッケージ化して横展開をしはじめます。2012年から本格的な市場展開を始め、2016年にはロンドン証券取引所のATM市場に上場しました。ちなみに日本支社ができたのは2017年です。現在の顧客は1000社以上にものぼり、100%の契約更新が続いているそうです。基本的に直販は行っておらず、コンサルティングファームなどのパートナーと組んでいます。日本の契約企業も増えてきており、有名ないところでいえば、住友商事や第一生命、博報堂、DeNAなどが利用しているとのことです。

Blue Prism社では社員という第1の労働力、派遣やアウトソースなどの第2の労働力に続けて第3の労働力となるソフトウェアロボットとしてRPAを活用してほしいと考えているといいます。RPAで何ができるかを現場の人間が理解し、現場でロボット開発を行える体制を作ると社員のマインドが変わってきます。自分が行ってきた単純作業はロボットに代行させて、自分は付加価値の高い業務にシフトできるのです。これを会社全体で実施すると、大きな付加価値を生み出すことができます。Blue Prism社はこのような形で、企業のデジタルトランスフォーメーションを実現する手段として提案しているといいます。

Blue Prism社のRPAの特徴とは

Blue Prism社のRPAの特徴は、サーバー型のRPAで幅広いシステムに対応している点です。Webブラウザーはもちろんのこと、メインフレームやSAP、Javaアプリケーションまで操作を自動化することができます。事例としては、請求書をOCRでデジタル化して、その後の処理をRPAで自動化するというケースが増えているとのことです。そのほかでいえば、チャットボット上で顧客が住所変更のリクエストをしたら、裏で顧客マスターのメンテナンス処理をするのにRPAを利用するケースもあるそうです。

強固なセキュリティーも金融機関に評価されているポイントです。事例といえば、RPA業務のログを暗号化してデータベースに格納し、改ざん防止をしています。システム的に改ざん防止を担保できるのはBlue Prism社のRPAくらいでしょう。

また、大量のロボットを動かして集中管理するのも得意としています。グローバルな金融グループのHSBCでは、1000台以上のロボットを動かしているそうです。ほかには、400台のロボットをたった2人の炭労者で管理しているというケースもあります。デスクトップ型のRPAの場合はパソコン1台が1ロボットとなるため、エラーなどで止まってしまうと現場に人が来て復旧処理をして再稼働させる必要ががあるため工数がかかります。Blue Prism社のRPAの場合は、フローチャート中でエラーが発生したら担当当者にメールをしたり、途中でエラーが起きたとしてもその部分だけを取り除いて最後まで処理し続けることが可能です。このような形で人手が必要となくなるため、夜中や土日も含めてスケジュールをフルに入れて高いパフォーマンスで運用することができるといいます。

ロボット開発はフローチャートで作成および管理して、サーバーのコントロールルームで一元管理できるようになっています。また、プロセスとオブジェクトが分けられているのも特徴です。業務の流れはプロセスで定義しますが、例えば「SAPにアクセスしてログインする」という動作をアクションとして登録しておきます。プロセスではこのアクションを読みに行けば、そのままログインすることができるというわけです。

このような方式のメリットは、SApのログイン方法に変更があった場合にアクションを変更すればプロセスをいじる必要はないという点です。指定したアクションを100台のロボットが利用していても、1度の修正でまとめて対象にできます。これにより保守性が高まるだけでなく、TCOも抑制できるようになります。トレーニングメニューも用意されており、30時間ほど学習すれば1通りのことができるようになるそうです。

AIとの連携にも注力している

Blue Prism社はAIとの連携にも注力しています。とはいうものの、Blue Prism社がAIを開発しているわけではありません。なぜなら、すでに何億円もAIに投資をしているパートナーとアライアンスを組んでいるからです。特定の企業の製品でこだわらず、顧客にはベストオブブリードで選んでもらい、Blue Prism社はRPAの完成度を高めるというところにフォーカスしています。現在では、GoogleやMicrosoft、IBM、OCRではABBYY、分析ではSplunkなどと連携できるアダプタを用意しているとのことです。

AI関連の事例でいえば、ファイザー株式会社の購買部門が輸入業務でBlue Prism社のRPAを導入しています。紙の文書の輸入書類5種類でOCRでデジタル化、そしてGoogleのAIでチェックを行い、本来合致していなければならない項目を自動で抽出するようにしました。最後に人の手でチェックは行くものの、1から人の手でやっていた頃と比較すると、年間トータルで22万時間もの削減を実現できたといいます。

コストが高いというイメージだが・・・

Blue Prism社のライセンスの考え方は、ほかのRPAベンダーと比べるとユニークなものとなっています。本番環境で同時に実行する台数がライセンス数となります。テスト環境や開発環境では課金されず、開発者ライセンスも不要で何人いてもOKとのことです。販売代理店が販売するので、正確な価格は違ってはきますが希望小売価格としては年間で120万円からとのことです。月額でいえば10万円程度になります。Blue Prism社のRPAは高いイメージがあるという方が多いと思いますが、なぜそのようなイメージを持たれるのでしょうか。

その理由として2018年の7月までは、初期導入は10ライセンスで3年契約以上となっていました。例えば、1ライセンス120万円だとすると、10ライセンスで1200万円、3年では3600万円になります。日本企業の1部門でのお試しの入口で3600万円となると、敷居が非常に高くなってしまいます。そこで、グローバルでポリシーを変更して、1ライセンス1年契約から購入できるようにしたといいます。

稼働環境のみに課金されるため、ロボット自体はいくつ作ってもOKです。繁忙期に合わせてロボットを用意しておき、通常は何も動いていないということもありえます。しかし、Blue Prism社のRPAはプロセスと実行環境が疎結合になっているため、例えば人事部が忙しくて経理部が暇という状況なら、人事部で多くの台数を動かし、その逆の状況になったら経理部で多くの台数を動かすというようなこともできます。ほかのベンダーのRPAでは20ライセンス必要だったところが、Blue Prism社のRPAなら5アカウントで済んだという事例もあり、単純に1アカウントでの月額金額だけ比較できるものでもないようです。

数台の導入というよりかは、全社で導入して横串を刺しての利用をBlue Prism社は考えているとのことです。アクセス権限も詳細に管理できるため、デベロッパーは開発環境にしかアクセスできず、全体のログは見られないように制御するいうこともできます。また、経理財務のロボット開発者は、経理財務のロボットの定義ファイルにしかアクセスできないようにするといったことも可能です。

以上のように、金融機関が求めるほどのセキュリティに対応しており、サーバー型で高性能を備えたRPAが月額10万円から導入できると考えると非常に安く思えないでしょうか。また、現場でも開発できるような環境や他社のAIと連携できりょうなシステムも簡単に構築できます。わたしたちがBlue Prism社のRPAに持っていたイメージが大きく覆されたといえるでしょう。



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